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インディア・ソング(1975年)

『インディア・ソング(India Song)』は、マルグリット・デュラスが監督した1975年のフランスのドラマ映画。120分。

1930年代のインドのカルカッタのフランス大使館を舞台に、フランス大使夫人への不可能な愛によって狂気に陥る副領事の物語を、音声と映像を同期させない実験的な手法で描いている。

デュラスが1973年に出版した同名の戯曲が原作。登場人物の設定はデュラスの小説『ラホールの副領事』(1966年)から引き継がれている。

監督・原作・脚本はマルグリット・デュラス。

1937年のカルカッタ。フランス大使館の周囲では、森の鳥たちの鳴き声と、ラオスのサヴァナケットから来た物乞い女が歌い、叫び、笑う声が聞こえている。

二人の女がフランス大使夫人のアンヌ=マリー・ストレッテル(デルフィーヌ・セイリグ)について話している。女の一人が、アンヌ=マリーは「島」(ガンジス川の河口のデルタ)で入水自殺し、墓はイギリス人墓地にあると言う。

アンヌ=マリー・ストレッテルは植民地の白人社会の女神のような存在で、娼婦のように男たちに身体を許していた。

大使館でパーティーが開かれた夜、アンヌ=マリーは愛人の一人のミシェル・リチャードソン(クロード・マン)と踊る。

パキスタンのラホールの元副領事(ミシェル・ロンダール)もパーティーに招かれている。噂によると、彼は副領事だった時にハンセン病患者たちに向けて発砲したために左遷されたのだという。

元副領事はアンヌ=マリーと踊り、彼女に自分の気持ちを打ち明けるが、アンヌ=マリーは元副領事を拒絶する。元副領事は、感情を抑えきれずに絶叫する。

『インディア・ソング』は、固定の、またはゆっくりと動くカメラで撮影された一連の長回しのショットと、画面外のナレーションと会話で構成されている。音声は映像と同期していない。話者たちは画面には映らず、画面内の人物たちは会話中に唇を閉じている。

映画に登場する人物たちは幽霊のように動きが緩慢である。鏡に映る鏡像の多用がトリッキーな効果を上げている。映画全体が記憶のプリズムのように働き、観客に催眠術のような奇妙な体験を与える。

本作はインドが舞台であるが、主にブーローニュのロトシルド(ロスチャイルド)邸でロケーション撮影されている。

マルグリット・デュラスが監督した『ヴェネツィア時代の彼女の名前』(1976年)は、『インディア・ソング』のサウンドトラックのほぼ全体を使用し、ロトシルド邸で撮影された無人の映像と組み合わせた映画である。

India Song de Marguerite Duras – Film annonce