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フランツ・シューベルト: さすらい人幻想曲; ロベルト・シューマン: 幻想曲作品17(Pollini, 1973)

概説

『フランツ・シューベルト: さすらい人幻想曲; ロベルト・シューマン: 幻想曲作品17』は、後期古典派~初期ロマン派のオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトとドイツ・ロマン派の作曲家、ロベルト・シューマンが作曲したピアノ独奏のための幻想曲2曲を収録したアルバムである。

ピアノ演奏は、卓越した演奏技術で知られるイタリアのピアニストのマウリツィオ・ポリーニ。

解説

シューベルトの『さすらい人幻想曲』は1973年に録音され、シューベルトのピアノソナタ第16番イ短調D.845(作品42)と併せて1974年にドイツ・グラモフォンからLPとして発売された。

シューマンの幻想曲は1973年に録音され、シューマンのピアノソナタ第1番嬰ヘ短調作品11と併せて1973年にドイツ・グラモフォンからLPとして発売された。

どちらの録音も、ポリーニの優れた演奏技術によって楽曲の抒情的な美しさが明晰に表現されている。

フランツ・シューベルト: さすらい人幻想曲

シューベルトの幻想曲ハ長調作品15、D.760(1822年出版)は、4楽章からなる自由な形式のソナタ風の幻想曲である。アルペッジョを多用した華麗な曲で、演奏には高度な技術が要求される。第2楽章で自作の歌曲『さすらい人』D.489(1816年)の旋律が変奏曲主題として用いられているため、一般に『さすらい人幻想曲』と呼ばれている。

ロベルト・シューマン: 幻想曲作品17

シューマンの幻想曲ハ長調作品17(1836年)は3楽章からなるソナタ風の幻想曲である。ロマンティシズムを湛えた雄大かつ熱情的な曲である。シューマンのピアノ独奏曲の最高傑作の1つと目される。ベートーヴェンの連作歌曲『遥かなる恋人に』作品98(1816年)の楽句が第1楽章の終結部で引用されている。

Schubert: Fantasy in C Major, Op. 15, D. 760 "Wanderer" – I. Allegro con fuoco ma non troppo