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大和和紀『はいからさんが通る』(1975年-1977年)

『はいからさんが通る』は、大和和紀による日本の少女漫画。1975年-1977年に講談社の「週刊少女フレンド」にて連載された。

大正時代の1918年から1923年にかけての日本が舞台の歴史ドラマ/ラブコメディーで、大正デモクラシーやシベリア出兵、ロシア革命、関東大震災といった当時の社会状況を背景としている。

女性が参政権を持たず、結婚や職業選択の自由がなかった時代に、自由を求めて戦い、職業婦人として生きようとする女性を描いたドラマでもある。このテーマを象徴するものとして、日本の女性解放運動の先駆者、平塚らいてうの文章─「元始、女性は実に太陽であつた。真正の人であつた。今、女性は月である。他に依つて生き、他の光によつて輝く、病人のやうな蒼白い顔の月である。」(1911年に雑誌『青鞜』にて発表)─が作中で引用されている。

本作は1977年に講談社漫画賞(少女部門)を受賞し、TVアニメシリーズ(1978年-1979年)やTVドラマ、実写映画(1987年)でも知られる人気シリーズとなった。国内では単行本の売り上げが累計1,200万部を突破している。

1918年の東京。女学校に通う17歳の花村紅緒(はなむらべにお)は、陸軍少尉の伊集院忍(いじゅういんしのぶ)と知り合う。忍は祖父母の時代から紅緒の許婚とされていた男だった。

紅緒は当初、忍との結婚を強制されることに抵抗していたが、紅緒と忍は互いに心を惹かれるようになる。

紅緒は忍の家で花嫁修業を始めるが、忍はシベリアに出征し、シベリアで消息を絶ってしまう。

紅緒は出版社で雑誌記者として働きはじめるが、忍が軍を脱走して満州で馬賊になっているという情報の真偽を確かめるため、満州に旅立つ。

紅緒は忍に関する手掛かりを掴めないまま帰国する。

紅緒は東京でロシアの亡命貴族、サーシャ・ミハイロフ侯爵に出会う。サーシャが忍に瓜二つであったため、紅緒はサーシャが忍ではないかと考えるが、サーシャが自分のことをまったく知らないことにショックを受ける。

勤務先の出版社の編集長、青江冬星(あおえとうせい)に励まされて、紅緒の心はサーシャと冬星の間で激しく揺れ動く。

紅緒はある決断を下すが、その時、関東大震災が東京を直撃する。

原作漫画の結末部分は他のメディアでは描かれたことがなかったが、2本の新作のアニメ映画、『劇場版 はいからさんが通る 前編 -紅緒、花の17歳-』(2017年)と『劇場版 はいからさんが通る 後編 -花の東京大ロマン-』(2018年)が2017年と2018年に公開され、この劇場版で原作の結末部分が初めてアニメ化された。

『劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~』予告編