概説
『What’s The Truth?(ホワッツ・ザ・トゥルース?)』は日本のハードコア・パンクバンド、S.O.B(エス・オー・ビー)の2作目のスタジオ録音アルバムである。
制作の背景
S.O.Bはグラインドコア、スラッシュコアの草分け的なバンドの一つである。ナパーム・デス(Napalm Death)やブルータル・トゥルース(Brutal Truth)を含む日英米のグラインドコア系バンドに影響を与えたことで知られている。
S.O.BはTOTTSUAN/鈴木義智(vocals)を中心として1985年に大阪で4人組のバンドとして結成された。
バンド名の「S.O.B」は「Sabotage Organized Barbarian(サボタージ・オーガナイズド・バーバリアン)」の略称である。1993年以降はしばしば「SxOxB」とも表記される。
1986年にTOTTSUAN以外のメンバー3人が新メンバーのTOSHIMI(guitar)、YASUE(drums)、NAOTO(bass)と入れ替わった。
東京拠点のインディーズレーベル、セルフィッシュ・レコードから7インチEP『Leave Me Alone』(1986年)をリリース後、S.O.Bは高速のハードコア・パンクで知られるようになった。
1987年にセルフィッシュ・レコードから1作目のアルバム『Don’t Be Swindle』をリリースした。
1989年にナパーム・デスとともにヨーロッパツアーを行った。
NAOTOは1989年にバンドを脱退し、1990年にKAWATAKA(bass)が加入した。
S.O.Bは1990年の秋に再びヨーロッパツアーを行った。この時、BBCラジオ1のジョン・ピール(John Peel)の番組「ピール・セッションズ(Peel sessions)」に日本のバンドとしては初めて出演した。
クレジット
- KAWATAKA – bass
- YASUE – drums
- TOSHIMI – guitar
- TOTTSUAN – vocals
解説
アルバム『What’s The Truth?』は1990年9月16日から19日にかけて録音され、同年の12月にセルフィッシュ・レコードから発売された。
本アルバムはイギリスでは1990年に当時ナパーム・デスでヴォーカルを担当していたリー・ドリアン(Lee Dorrian)が創設したロンドン拠点のインディーズレーベル、ライズ・アバヴ・レコーズから発売された。
本アルバムはグラインドコア/スラッシュコア/デスメタル風の重厚で荒々しいサウンド、高速のテンポ、ブラストビート、デスヴォイスと絶叫ヴォーカルが特徴である。
歌詞は英語。
オリジナルのセルフィッシュ版は10曲収録。
ライズ・アバヴ版はEP『Thrash Night』(1989年)からの8曲をボーナス・トラックとして追加収録。
本アルバムは1994年にトイズファクトリーレコードから再発売された。
トイズファクトリー版は、ナパーム・デスとのスプリットEP『S.O.B. / Napalm Death』(1989年)からの4曲とソノシート『Suck Up Brain Or Fuck Ya Brain? / Nightmare』(1990年)からの2曲の計6曲をボーナス・トラックとして追加収録。
『ローリング・ストーン日本版』は2007年に本作を「日本のロック名盤BEST100」の66位にランク付けした。
収録曲
7曲目の「Never Ever」と8曲目の「Senseless Fantasy!」はライズ・アバヴ版では「Never」「Slayer」という曲名になっている。
- Over The Line – 2:06
- Meddlesome Heart – 2:03
- Unseen Terror – 2:18
- Look Like Devil II – 1:37
- Obsessed With Wickedness – 1:37
- What’s The Truth? – 2:13
- Never Ever – 1:31
- Senseless Fantasy! – 2:26
- Repeat At Length – 1:46
- Why? – 2:24