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ストップ・メイキング・センス(1984年)

『ストップ・メイキング・センス(Stop Making Sense)』は、アメリカ合衆国のロックバンド、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)によるアルバム『スピーキング・イン・タンズ(Speaking in Tongues)』(1983年)の宣伝ツアー中のライヴ演奏を収録した1984年のアメリカ合衆国のコンサート映画。1983年12月にハリウッドのパンテージ・シアターにて3夜にわたって撮影された。監督はジョナサン・デミ。88分。

トーキング・ヘッズは1975年にニューヨークでデイヴィッド・バーン(lead vocals, guitar)、クリス・フランツ(drums)、ティナ・ウェイマス(bass)、ジェリー・ハリスン(keyboards, guitar)によって結成された、ファンクやワールドビートを取り入れたダンサブルなポップソングで知られるニュー・ウェイヴ/ポストパンクのバンドである。

5作目のスタジオ録音アルバム『スピーキング・イン・タンズ』では、ブライアン・イーノがプロデュースした前作『リメイン・イン・ライト(Remain in Light)』(1980年)で完成した、ファンクを基調として電子楽器やアフリカン・パーカッション、ポリリズムを導入した実験的なサウンドが、キャッチーなポップソングと融合している。このアルバムは全米ビルボード200で15位を記録し、商業的な出世作となった。

セットリストは以下の通り。

  1. 「サイコ・キラー(Psycho Killer)」は1作目のスタジオ録音アルバム『トーキング・ヘッズ: 77(Talking Heads: 77)(邦題: サイコ・キラー’77)』(1977年)の収録曲。1977年にシングルとして発売された。デイヴィッド・バーンがカセットプレーヤーとアコースティックギターを持って一人でステージに現れ、ローランドのリズムマシンTR-808の音をバックにこの曲のアコースティック・バージョンを演奏する。
  1. 「ヘヴン(Heaven)」は3作目のスタジオ録音アルバム『フィア・オブ・ミュージック(Fear of Music)』(1979年)の収録曲。この曲からティナ・ウェイマス(bass)が演奏に加わる。リン・マブリィが舞台裏からハーモニーヴォーカルを聴かせる。
  1. 「サンキュー・フォー・センディング・ミー・アン・エンジェル(天使をありがとう)(Thank You for Sending Me an Angel)」は2作目のスタジオ録音アルバム『モア・ソングス・アバウト・ビルディングス・アンド・フード(More Songs About Buildings and Food)(邦題: モア・ソングス)』(1978年)の収録曲。この曲からクリス・フランツ(drums)が演奏に加わる。
  1. 「ファウンド・ア・ジョブ(Found a Job)」はアルバム『モア・ソングス・アバウト・ビルディングス・アンド・フード』の収録曲。この曲からジェリー・ハリスン(keyboards, guitar)が演奏に加わる。
  1. 「スリッパリー・ピープル(Slippery People)」はアルバム『スピーキング・イン・タンズ』の収録曲。この曲からスティーヴ・スケイルズ(percussion)、エドナ・ホルト(backing vocals)、リン・マブリィ(backing vocals)が演奏に加わる。
  1. 「バーニング・ダウン・ザ・ハウス(Burning Down the House)」はアルバム『スピーキング・イン・タンズ』の収録曲。1983年にシングルとして発売され、全米ビルボードホット100で9位を記録した。この曲からバーニー・ウォーレル(keyboards)とアレックス・ウィアー(guitar, vocals)が演奏に加わる。
  1. 「ライフ・デュアリング・ウォータイム(Life During Wartime)」はアルバム『フィア・オブ・ミュージック』の収録曲。1979年にシングルとして発売された。
  1. 「メイキング・フリッピー・フラッピー(Making Flippy Floppy)」はアルバム『スピーキング・イン・タンズ』の収録曲。
  1. 「スワンプ(Swamp)」はアルバム『スピーキング・イン・タンズ』の収録曲。
  1. 「ホワット・ア・デイ・ザット・ウォズ(What a Day That Was)」は、トワイラ・サープのダンス・プロジェクト用の音楽スコアを収録したデイヴィッド・バーンのアルバム『ザ・キャサリン・ホイール(The Catherine Wheel)』(1981年)の収録曲。
  1. 「ジズ・マスト・ビー・ザ・プレイス(ナイーヴ・メロディー)(This Must Be the Place (Naive Melody))」はアルバム『スピーキング・イン・タンズ』の収録曲。1983年にシングルとして発売された。
  1. 「ワンス・イン・ア・ライフタイム(Once in a Lifetime)」は4作目のスタジオ録音アルバム『リメイン・イン・ライト』の収録曲。1981年にシングルとして発売された。
  1. 「ジーニアス・オブ・ラヴ(Genius of Love)(邦題: 悪魔のラヴ・ソング)」は、ティナ・ウェイマスとクリス・フランツによるサイド・プロジェクト、トム・トム・クラブ(Tom Tom Club)の1作目のスタジオ録音アルバム『トム・トム・クラブ(Tom Tom Club)(邦題: おしゃべり魔女)』(1981年)の収録曲。1981年にシングルとして発売され、全米ビルボードのホットダンスクラブソングスで1位を記録した。
  1. 「ガールフレンド・イズ・ベター(Girlfriend Is Better)」はアルバム『スピーキング・イン・タンズ』の収録曲。1984年に『ストップ・メイキング・センス』のサウンドトラックのライヴ・バージョンがシングルとして発売された。映画『ストップ・メイキング・センス』のタイトルはこの曲の歌詞に由来している。バーンが「大きなスーツ(big suit)」を着てステージに現れ、この曲を歌う。
  1. 「テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー(Take Me to the River)」はアル・グリーンの曲のカヴァー。トーキング・ヘッズのバージョンはアルバム『モア・ソングス・アバウト・ビルディングス・アンド・フード』に収録され、1978年にシングルとして発売された。
  1. 「クロスアイド・アンド・ペインレス(Crosseyed and Painless)」はアルバム『リメイン・イン・ライト』の収録曲。1980年にアメリカ合衆国でアルバムの宣伝用シングルとして発売された。

上記に加えて、DVDとBlu-rayでは3曲が追加特典として収録されている。

『ストップ・メイキング・センス』は、当時のトーキング・ヘッズのエネルギッシュなライヴ演奏を24トラックのデジタル録音によるクリアな音質で疑似的に体験できる、優れたコンサート映画である。

映画評論家のレナード・マルティンは本作を「これまでに作られたロック映画の中でも最高傑作の一つ」と評した。

本作は1984年に全米映画批評家協会賞の最優秀ノンフィクション映画賞を受賞した。

本作のサウンドトラックがライヴアルバム『ストップ・メイキング・センス』として1984年に発売された。

Stop Making Sense – Official Trailer