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スティーヴ・ライヒ: 初期作品集(Double Edge and others, 1987)

概説

『スティーヴ・ライヒ: 初期作品集(Early Works)』は、ミニマル・ミュージックの開拓者の一人として知られるアメリカ合衆国の作曲家、スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)の初期作品を集めたコンピレーション・アルバムである。

解説

本アルバムは「漸次的位相変移プロセス」(gradual phase shifting process)の手法により作曲された4作品を収録している。

2つのテープ音楽作品以外は1986–1987年に録音された。

本アルバムは1987年にノンサッチ・レコーズから発売された。

イッツ・ゴナ・レイン(1965年)

カム・アウト(1966年)

「イッツ・ゴナ・レイン(It’s Gonna Rain)」(1965年)と「カム・アウト(Come Out)」(1966年)は録音された音声を素材として使用した、磁気テープのための実験的な音楽作品である。2つまたはそれ以上の反復パターンを漸次的に変化してゆく位相として扱っている。

「It’s Gonna Rain」では、ペンテコステ派の牧師ブラザー・ウォルターの説教と鳩が飛び立つ音などの背景音が素材として使われている。

「Come Out」では、1964年のハーレム暴動に巻き込まれた19歳の少年ダニエル・ハムの音声「I had to, like, open the bruise up, and let some of the bruise blood come out to show them」(僕は、あざを開いて、あざの血を出して見せなければならなかった)が素材として使われている。

ピアノ・フェイズ(1967年)

「ピアノ・フェイズ(Piano Phase)」(1967年)は2台のピアノのための曲で、「漸次的位相変移プロセス」の手法をライヴ演奏に適用した最初の試みの一つである。ピアノ演奏は鍵盤楽器のデュオ、ダブル・エッジ(ヌリット・ティルズとエドムンド・ニーマン)。

手拍子の音楽(1972年)

「手拍子の音楽(Clapping Music)」(1972年)は楽器なしで2人のミュージシャンの手拍子のみの曲で、拍のずれによるリズムの変化を扱っている。

Steve Reich – It's Gonna Rain