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少林寺三十六房(1978年)

概説

『少林寺三十六房(少林三十六房)』は、ショウ・ブラザーズ製作、ラウ・カーリョン(劉家良)監督の1978年の香港の功夫アクション映画である。清王朝の時代の中国を舞台に、少林寺での厳しい訓練を経て武術を習得し、悪の将軍に戦いを挑む男を描いている。主演はリュー・チャーフィー(劉家輝)。武術指導はラウ・カーリョン、ウィルソン・タン。115分。

あらすじ

17世紀中頃の中国、広東。漢民族による明王朝は満洲民族が主導する清王朝によって滅ぼされ、人々は清王朝の支配下に置かれていた。

明王朝の遺臣の鄭成功(チェン・チェンコン)(国姓爺)は台湾を拠点として、清王朝の打倒と明王朝の復興を目指す運動を継続していた。

海産物問屋の息子で私塾に通っている青年、リュー・ユウダ(リュー・チャーフィー)は、反清復明運動の活動家だった私塾の師の影響を受け、学友とともに清朝に対する反乱計画に参加する。

清王朝の将軍ティエン・タ(ロー・リエ)は、部下のタン・サンヤオ(ウィルソン・タン)に反乱分子の皆殺しを命じ、ユウダの父と友人たちはタン・サンヤオによって殺害される。

清王朝に復讐し、人々を圧政から解放するために闘うことを決意したユウダは、武術を習うために少林寺に向かう。

ユウダは少林寺に向かう途中でタン・サンヤオの一団に発見され、左足に重傷を負うが、なんとか逃げ延びる。

少林寺にたどり着いたユウダは大怪我のために気を失う。少林寺管長はユウダの忍耐力を評価し、寺にとどまることを許可する。

1年後、ユウダは「サンダ(三徳)」という僧名を授けられ、武術の修行を開始する。

少林寺の武術の修行では、修行者は各房でそれぞれ特定の技能を習得し、三十五房を突破しなければならない。

サンダは三十五房で、平衡感覚と身軽さ(三十五房)、腕の力(三十四房)、手首の力(三十三房)、視力と反射神経(三十ニ房)、頭の強さ(二十六房)、拳による攻撃の型と技術(二十五房)、足による攻撃の型と技術、刀術、棒術、精神修養(最高位の第一房)などのさまざまな技能を一つずつ鍛えてゆき、5年で三十五房のすべてを突破する。

管長はサンダがいずれかの房の住持となることを許可するが、サンダの激しい復讐心を憂慮した戒律院総長(リー・ホイサン)はその提案に反対し、自分と戦って勝ったら住持となることを認める、とサンダに言う。

サンダは戒律院総長に何度も戦いを挑むが、双刀の達人である総長には勝てない。しかし、独自の武器である三節棍を開発したサンダはついに勝利する。

サンダは一般の人々が武術の修行をすることができる房の新設を申し出るが、管長はサンダの申入れを却下する。サンダが三十六房の創設をしつこく要求したため、管長は、サンダが上層部に逆らった罰として托鉢を命じるという名目でサンダに寺を去ることを許す。

故郷の町に帰って来たサンダは、タン・サンヤオに同志を殺された志士の洪熙官(ハン・シークァン)(ユー・ヤン)がタン・サンヤオの一団に襲撃されているのを発見する。サンダは洪熙官を助け、タン・サンヤオを倒す。洪熙官はサンダの弟子になる。

その後、竹細工職人の陸阿采(ルー・アーツァイ)(ツイ・シャオキョン)、鍛冶屋の童千斤(ツン・チェンチン)(ウー・ハンシェン)、米屋の春米六(チュン・ミリュウ)(ワン・ユー)の3人の男たちもサンダに弟子入りする。

サンダはティエン・タ将軍が指揮する軍勢に攻撃をしかけ、三節棍を操るサンダと双刀を操るティエン・タ将軍の一騎討ちが始まる。

解説

『少林寺三十六房』は、史上最高の功夫映画の一つとして世界的に高く評価されている武術映画の傑作である。

本作の登場人物は一部が歴史上の人物となっているが、本作のストーリーは架空のものである。

物語上、サンダの修行の過程に重点が置かれているのが本作の特徴である。

後半部の本格的な功夫バトルのシークエンスが本作の見どころである。

クエンティン・タランティーノは本作を「功夫映画史上最高の3本に入る作品」と称し、リュー・チャーフィーに『キル・ビル Vol.1』(2003年)と『キル・ビル Vol.2』(2004年)でそれぞれ別の2役を演じさせている。

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