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機動戦艦ナデシコ(1996–1997年)

概説

『機動戦艦ナデシコ』は1996–1997年にテレビ東京系で放送された日本のSF/ラブコメディーアニメシリーズである。未来の宇宙時代を舞台に、地球圏と木星圏の戦争における宇宙戦艦「ナデシコ」の乗組員たちの物語を描いている。

監督は佐藤竜雄。ストーリーエディターは會川昇。製作はテレビ東京、読売広告社、XEBEC。全26話。

あらすじ

22世紀末、木星から現れた侵略者が「チューリップ」と呼ばれるゲート(ワープ装置)を介して「木星蜥蜴(もくせいとかげ)」と呼ばれる無人兵器群を瞬間移動させることによって火星と月の裏側を制圧し、地球への攻撃を開始する。

2196年、民間企業のネルガル重工は火星に取り残された人々を救うための大型新造戦艦「ナデシコ」の建造を終了させていた。ネルガルは各分野の民間の専門家たちをナデシコのクルーとしてスカウトする。

ナデシコの艦長には、地球連合大学在籍時に戦略シミュレーションで無敗を誇っていた、火星生まれで地球育ちの女性、ミスマル・ユリカ(御統ユリカ)が選ばれる。

火星でユリカと幼なじみだった、火星生まれで火星育ちのコック見習いの青年、テンカワ・アキト(天河明人)はユリカを追ってナデシコに乗り込み、ナデシコのコックとして採用されるが、その後アキトは人型機動兵器「エステバリス」のパイロットの一人として木星蜥蜴と戦うことになる。

解説

シリーズの前半では、地球連合軍の傘下で木星蜥蜴と戦うナデシコの乗組員たちの物語が描かれている。後半では敵の正体が明らかになり、ナデシコの乗組員たちは戦争を終わらせるために独自の道を模索する。

本作はTVアニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995–1996年)を起点とする1990年代後半のいわゆる「第三次アニメブーム」を牽引した人気シリーズの一つであり、ラブコメや巨大ロボット、メカアクション、ハードSF、ドラマ、ミステリーなどのさまざまな要素が詰め込まれた娯楽作品である。

『機動戦艦ナデシコ』はアニメというジャンルそれ自体とアニメファンに対する自己省察の視点を含んでいるという点で『新世紀エヴァンゲリオン』と共通している。

本シリーズで劇中劇(アニメ内アニメ)として登場する架空のTVアニメシリーズ『ゲキ・ガンガー3』は、1970年代の「スーパーロボット」アニメの精巧なパロディーであり、『ゲッターロボ』(1974–1975年)のような当時の「スーパーロボット」アニメの様式を細部に至るまで忠実に再現している。

シリーズの後半では『ゲキ・ガンガー3』がメインストーリーに関わる重要な役割を担っている。

第14話には『ゲキ・ガンガー3』の登場人物たちが逆に『機動戦艦ナデシコ』をTVで観ているというメタフィクション的な場面がある。

『ゲキ・ガンガー3』はそのレトロなスタイルとクオリティの高さが評判となり、1997年にOVA『ゲキ・ガンガー3 熱血大決戦!!』として発売された。

1998年に公開されたアニメ映画『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』は、TVシリーズ『機動戦艦ナデシコ』の続編である。

麻宮騎亜による漫画版『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』(1996–1999年)もある。

Martian Successor Nadesico Hot Clip – Opening Theme