概説
『ヴァレーズ: アメリカ; アルカナ; デゼール(砂漠); イオニザシオン(電離)』はフランス生まれでアメリカに帰化した現代音楽の作曲家、エドガー・ヴァレーズの4作品を収録したアルバムである。
収録曲はピエール・ブーレーズ指揮による再録音である。演奏はシカゴ交響楽団。
本アルバムは1995–1996年に録音され、2001年にドイツ・グラモフォンから発売された。
収録曲
- アメリカ – 25:12
- アルカナ – 19:42
- デゼール(砂漠) – 17:11
- イオニザシオン(電離) – 5:51
解説
アメリカ
『アメリカ』(1918–1921年。1927年改訂)はパトカーのサイレンを含む、11人の奏者による打楽器群を追加した大規模なオーケストラのための管弦楽曲である。ストラヴィンスキーの『春の祭典』(1913年)に似た原始的なダイナミズムと不協和音、複雑なポリフォニーが特徴で、ニューヨークのような大都会の喧騒と騒音を連想させる。
アルカナ
『アルカナ』(1925–1927年)は40人の打楽器奏者を含む総勢120人の大規模なオーケストラのための交響詩である。古典派音楽のモティーフと斬新な音響を組み合わせた、「組織された音響」(エドガー・ヴァレーズ)としての統一感を持つ作品である。
デゼール(砂漠)
『デゼール(砂漠)』(1950–1954年)は14管(金管と木管)と5つの打楽器、ピアノと2トラックの電子テープのアンサンブルのための曲である。
イオニザシオン(電離)
『イオニザシオン(電離)』(1929–1931年)はイタリア未来派のルイージ・ルッソロとフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティの影響下で作曲された、13人の打楽器奏者のためのパーカッション・アンサンブル曲である。チャイム、ピアノ、ベル、2つの(高音と低音の)消防車用のサイレンを含む37の打楽器で演奏される。 西洋音楽史上初の、パーカッション・アンサンブルのみのために作曲されたコンサートホール用の楽曲である。