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ピクニックatハンギング・ロック(1975年)

概説

『ピクニックatハンギング・ロック(Picnic at Hanging Rock)』は、ピーター・ウィアー監督の1975年のオーストラリアのミステリー映画である。

ジョーン・リンジーの同名の小説(1967年)の映画化作品である。

ヴィクトリア朝時代(1837–1901年)の末期、オーストラリア連邦の成立(1901年)直前の1900年を舞台に、3人の女子学生と1人の教師がオーストラリアのヴィクトリア州の火山岩層、ハンギング・ロックでのピクニック中に行方不明になった謎の失踪事件を描いている。

製作はハル・マッケルロイとジム・マッケルロイ。

脚本はクリフ・グリーン。

主演はレイチェル・ロバーツ、ドミニク・ガード、ヘレン・モース、ヴィヴィアン・グレイ、ジャッキー・ウィーヴァー。

撮影はラッセル・ボイド。

115分。

解説

1900年2月14日の土曜日、オーストラリアのヴィクトリア州ウッドエンドの町の近くにある全寮制の女学校、アップルヤード・カレッジの生徒19人と教師2人がハンギング・ロックにピクニックに出かける。

生徒3人と教師の1人が行方不明になる。行方不明になった生徒の1人が後に発見されるが、その生徒は何が起こったのか憶えていなかった。他の3人は見つからなかった。

この失踪事件が一部の生徒と学校関係者の人生を大きく変転させる。

『ピクニックatハンギング・ロック』の物語では、失踪事件の謎が未解決のままとなっている。

行方不明者は何らかの事件または事故に巻き込まれたのかもしれないし、超自然的な力によって神隠しに遭ったようにも見える。

映画は失踪事件の謎を解く代わりに、残された人々の心理的なドラマと悲劇に焦点を当てている。

『ピクニックatハンギング・ロック』の設定と物語は、フロイト的な主題、すなわちヴィクトリア朝の社会とその厳格なキリスト教文化における性的な抑圧を暗に示している。

視覚的には、カメラのレンズにブライダルベールをかけて撮影した、印象派の絵画のような幻想的な映像が特徴である。オーストラリアの原始的な自然風景の荘厳な美しさを捉えたショットも印象的である。

本作はヴィクトリア州のハンギング・ロック、南オーストラリア州のストラサルビン、クレア、マーバリースクール、南オーストラリア映画公社のスタジオで撮影された。

本作は1975年にアデレードのヒンドリー・シネマ・コンプレックスで初公開され、商業的にも批評的にも成功し、オーストラリアのニューウェイヴ映画として世界的に大きな成功を収めた最初の作品の一つとなった。

1998年にウィアーは劇場での再公開のために本作からいくつかのシーンを削除して短くした107分のディレクターズ・カット版を制作した。

2023年にイギリスのセカンド・サイト・フィルムズは本作の4K修復版をUltra HD Blu-rayで発売した。

Picnic At Hanging Rock (1975) — HD Trailer (slightly re-edited)

あらすじ(ネタバレ注意)

映画は以下の文章で始まる。

「1900年2月14日の土曜日、アップルヤード・カレッジの女子生徒たちがヴィクトリア州マセドン山近くのハンギング・ロックにピクニックに出かけた。午後の間に、一行のメンバー数人が跡形もなく消え失せた…」

1900年2月14日(聖バレンタインデー)、オーストラリアのヴィクトリア州ウッドエンドの町の近くにある全寮制の女学校、アップルヤード・カレッジの生徒19人が、数学教師のマクロウ先生(ヴィヴィアン・グレイ)と若いフランス人教師のマドモアゼル・ポワテール(ヘレン・モース)に引率されて、ハンギング・ロックにピクニックに出かける。

アップルヤード校長(レイチェル・ロバーツ)はセーラという名の生徒(マーガレット・ネルソン)をピクニックに行かせずに学校に残らせる。

セーラは詩人志望で反抗的な少女だった。アップルヤード校長はセーラにイギリスの詩人、フェリシア・ヘマンズの詩を暗記するように指示するが、セーラは拒否する。

セーラは孤児院出身の少女だった。セーラは兄のアルバートと生き別れになっていた。

セーラの後見人はセーラの授業料を滞納していた。

年長のルームメートのミランダ(アン・ランバート)がセーラの唯一の友人だった。

御者のハシーは馬車で一行をハンギング・ロックに連れていく。

ミランダとクラスメートのアーマ(カレン・ロブソン)、マリオン(ジェーン・ヴァリス)、イーディス(クリスティーン・シュラー)はポワテール先生の許可を得て、岩層を探索する。

フィッツフーバート大佐の甥で若いイギリス人青年のマイクル(ドミニク・ガード)は、フィッツフーバート家の御者で友人のアルバート(ジョン・ジャラット)とともに、小川を渡っている4人の少女を目撃する。マイクルはミランダの美しさに魅了される。

ミランダ、アーマ、マリオンの3人はイーディスを置き去りにして、岩の間に吸い込まれるように入ってゆく。恐怖を感じたイーディスは泣き叫んで逃げ出す。

一行は夜遅くに学校に戻ってくる。ハシーはアップルヤード校長に、生徒3人とマクロウ先生が行方不明になったと報告する。

翌日、バンファー巡査部長(ウィン・ロバーツ)が地元の警察と民間人を率いて行方不明者の捜索を開始するが、痕跡が見つからない。

警察から聴取を受けたマイクルは、小川を渡る女子生徒たちを目撃したことを話す。

イーディスはポワテール先生とバンファー巡査部長に、スカートを穿かずにズロース姿で丘を登ってゆくマクロウ先生を目撃したと話す。

ミランダの幻影に取りつかれたマイクルはアルバートとともにハンギング・ロックでミランダを捜すが、手がかりが見つからない。

マイクルは夜も一人でハンギング・ロックに残り、翌日も捜索を続ける。

アルバートは岩場で倒れているマイクルを発見する。マイクルは馬車で搬送される。マイクルはアルバートに、下着の断片のように見えるレースの切れ端を手渡す。

アルバートは岩場で倒れているアーマを発見する。アーマは気を失っていたが生きていた。

アーマはフィッツフーバート家で医師の診察を受ける。アーマは軽傷を負っていたがほぼ無傷だった。使用人の娘はアーマのコルセットがなくなっていることに気付く。

アップルヤード校長は失踪事件が学校の評判を失墜させ、何人かの親が子供たちを退学させていることに苛立ち、次第に精神のバランスを失い始める。

セーラは最愛の友人であるミランダを失い、悲しみに打ちひしがれる。

アップルヤード校長はセーラに、復活祭までに未払いの授業料が支払われないと学校を退学して施設に戻らなければならないと告げる。

セーラは学校のメイドのミニー(ジャッキー・ウィーヴァー)に、兄と一緒に孤児院にいたことを話す。

アーマが意識を取り戻す。アーマは警察とポワテール先生に、何が起こったか憶えていないと言う。

ミランダ、マリオン、マクロウ先生の3人は死亡したとみられると書かれた張り紙が町に出される。

アーマはヨーロッパの両親の元に身を寄せるために学校を去ることになる。

アーマはクラスメートに別れを告げるために体操の授業中に教室にやって来る。

クラスメートたちはアーマに岩場で何が起こったのか話してと詰め寄る。クラスメートたちは泣き叫び始め、パニック状態になる。

ポワテール先生は教室の片隅にいるセーラに気付く。セーラはアップルヤード校長によって姿勢矯正用の板に縛りつけられていた。

その夜、アップルヤード校長はセーラに、後見人がまだ授業料を支払っていないので施設に戻されると告げる。

翌日、アルバートはマイクルに、生き別れの妹のセーラが会いに来る夢を見たと話す。

セーラは学校の屋上から飛び降り自殺をする。セーラの遺体は温室で学校の庭師によって発見される。

映画はバンファー巡査部長による以下のナレーションで終わる。

「1900年3月27日の金曜日にアップルヤード・カレッジの校長のアーサー・アップルヤード夫人の遺体がハンギング・ロックの麓で発見された。

夫人の死の正確な状況は不明だが、岩に登ろうとして転落したと思われる。

行方不明の女子生徒たちと女性教師の捜索は数年間にわたって断続的に続けられたが、成功には至らなかった。

今日に至るまで、その失踪は謎のままである。」