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ヒート(1995年)

『ヒート(Heat)』は、マイケル・マンが監督・脚本を手がけた、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロを中心とするアンサンブル・キャストによる1995年のアメリカ合衆国の犯罪アクション映画/ネオ・ノワール。カリフォルニア州ロサンゼルスを舞台に、ロサンゼルス市警(LAPD)の刑事と強盗のプロの命を懸けた戦いを描いている。マイケル・マンが自作のTV映画『メイド・イン・L.A.(L.A. Takedown)』(1989年)をリメイクした作品。170分。

元海兵隊員のニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)は、ロサンゼルスを拠点に銀行や現金輸送車などを専門に狙う職業的犯罪者だった。

マッコーリーとその仲間たち─解体・建設の専門家のクリス・シヘリス(ヴァル・キルマー)、電子工学・通信の専門家のマイケル・チェリト(トム・サイズモア)、逃走ドライバーのトレホ(ダニー・トレホ)、新顔のウェイングロー(ケヴィン・ゲイジ)─は、現金輸送車を襲って160万ドルの無記名債券を強奪する。犯行の途中でウェイングローが誤って警備員1名を射殺する。マッコーリーは、目撃者を残さないためにやむなく他の警備員を殺害する。マッコーリーはウェイングローを殺害しようとするが、ウェイングローは逃走する。

ロサンゼルス市警(LAPD)のヴィンセント・ハナ警部補(アル・パチーノ)のチームが強盗事件の捜査を開始する。ハナたちはチェリトを監視し、マッコーリーが強盗団のリーダーであることを突き止める。

ハナは3人目の妻のジャスティン(ダイアン・ヴェノーラ)と継娘のローレン(ナタリー・ポートマン)と暮らしていたが、仕事に取りつかれていて家庭を顧みなかったため、夫婦生活は破綻寸前で、ローレンは精神的に不安定になっていた。

マッコーリーはプロの犯罪者として、いつでも高飛びできるように、家族を持たずに一人で暮らしていた。

マッコーリーは、昼は書店の販売員として働き、夜はグラフィックデザイナーとして働く若い女性、イーディ(エイミー・ブレネマン)と知り合う。マッコーリーとイーディは恋仲になる。

マッコーリーは、強盗としての最後の大仕事を終えた後にイーディとニュージーランドに移住することを決意する。

マッコーリーは盗んだ債券を、債券の元の保有者で麻薬カルテルのマネーロンダリング請負人であるロジャー・ヴァン・ザント(ウィリアム・フィクナー)に買い戻させようとする。ヴァン・ザントは殺し屋を待ち伏せさせてマッコーリーを殺害しようとするが、罠に気付いたマッコーリーとその一味は殺し屋たちを殺害する。

マッコーリー一味が貴金属の倉庫に侵入しようとしている時に、ハナはマッコーリーを現行犯で逮捕しようとするが、マッコーリーが監視に気付いて逃走したために失敗する。

マッコーリーは銀行から1,220万ドルを盗み出す強盗の計画を立てる。

マッコーリーと直接話すために、ハナはマッコーリーをコーヒーに誘う。2人はコーヒーショップでお互いの仕事や生活について話し合う。2人は相手に対して奇妙な共感を覚えるが、必要であれば躊躇なく相手を殺すということを予告し合う。

ヴァン・ザントはマッコーリーを殺害するためにウェイングローを殺し屋として雇う。

銀行強盗の決行の日、マッコーリーは、トレホからLAPDにしつこく追われていて撒けないという電話があったため、トレホの代わりに、フォルサム刑務所の囚人仲間で今は食堂で働いているドナルド・ブリーダン(デニス・ヘイスバート)を逃走ドライバーとして採用する。

マッコーリー一味は極東国立銀行を襲撃して金を奪う。銀行強盗を知らせる匿名の通報を受けたLAPDは現場に急行する。

街頭でLAPDと激しい銃撃戦を繰り広げたマッコーリーは、負傷したシヘリスを連れてなんとか警察の包囲網から逃れる。ブリーダンと警察官数人が銃撃戦で死亡し、チェリトはハナに射殺される。

マッコーリーはトレホの家で、瀕死のトレホと殺害されたトレホの妻を発見する。マッコーリーはトレホから、ウェイングローがトレホの妻を人質に取り、トレホから銀行強盗の件を聞き出して警察に垂れ込んだこと、黒幕がヴァン・ザントであることを聞く。トレホはマッコーリーに自分を殺してくれと頼み、マッコーリーはトレホの頭を撃ち抜いて殺す。

マッコーリーはヴァン・ザントの住むマンションに押し入り、ヴァン・ザントを射殺する。

マッコーリーをおびき出して逮捕するため、ハナはウェイングローがロサンゼルス国際空港のホテルに潜伏しているという情報を流す。

国外に逃亡するためにマッコーリーはイーディを連れて空港に車でやって来る。マッコーリーはホテルに侵入し、火災報知器を作動させ、ウェイングローの部屋に突入してウェイングローを射殺する。

ハナはマッコーリーを空港の駐機場に追い詰め、ハナとマッコーリーの1対1の戦いが始まる。

『ヒート』の脚本は、TVプロデューサー・脚本家のチャック・アダムソンがシカゴ市警察の刑事だった頃の1964年に犯罪者で元アルカトラズ刑務所の囚人のニール・マッコーリーを追い詰めた実話に基づいている。

実際にロサンゼルスの街頭でロケーション撮影された、市街戦のようなリアルな銃撃戦のシークエンスが本作の最大の見どころである。

映画監督のクリストファー・ノーランは、自作の映画『ダークナイト(The Dark Knight)』(2007年)でゴッサム・シティを描写する上で『ヒート』から着想を得たと語っている。

『ガーディアン』紙は2010年に本作を「史上最高の犯罪映画」のリストの22位にランク付けした。

『ヒート 製作20周年記念版<2枚組>』2017.3.3ブルーレイリリース