『MESS/AGE』は、1961年東京生まれの日本のクリエイター(俳優・編集者・小説家・ラッパー・TVタレント)、いとうせいこう(rap, vocals)によるヒップホップのアルバムである。
いとうは1980年代中頃に講談社での雑誌編集の仕事を経てヒップホップMCとして活動を始め、1986年に初のアルバム『建設的』をいとうせいこう&タイニー・パンクス名義でキャニオン・レコードより発売した。
『MESS/AGE』はヤン富田と共同で制作した2作目のアルバムであり、初のソロ・アルバムである。
オリジナルのCDは1989年にファイルレコードのレーベル、Astro Nationより限定5000枚プレスで発売された。1995年にファイルレコードから別ジャケットのCDが再発売されている。
『MESS/AGE』は日本のヒップホップの黎明期における先駆的な作品の一つとしてしばしば言及されるアルバムである。
ミックス・アレンジはヤン富田。トラックメイキングはヤン富田(computer programming, tape, radio, turntable and instruments)と”DUB MASTER X”こと宮崎泉(vinyl beat of two turntables and vocals)。
本作は、いとうの脚韻を多用した日本語ラップと、ジャズやファンク、カリプソ、イタリアの映画音楽などをサンプリングしたバックトラックで構成されている。
サンプル音源は、サン・ラー(Sun Ra)、ドナルド・バード(Donald Byrd)、アルマンド・トロヴァヨーリ(Armando Trovajoli)、ファラオ・サンダース(Pharoah Sanders)、ゲイリー・バーツ(Gary Bartz)、クール&ザ・ギャング(Kool & the Gang)、ジミー・マクグリフ(Jimmy McGriff)、マイティ・スパロウ(Mighty Sparrow)など。
1980年代のいとうの音楽スタイルは、MCU、KOHEI JAPAN、YOU THE ROCK、スチャダラパー、宇多丸などの後続の日本のヒップホップ・ミュージシャンたちに多大な影響を与えた。
『ローリング・ストーン日本版』は2007年に本作を「日本のロック名盤BEST100」の53位に選出した。