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Etta James: At Last! (1960)

概説

『アット・ラスト!』(At Last!)は、1950年代中頃以降にゴスペル、ブルース、ジャズ、R&B、ロック、ソウルなどを含むさまざまな分野で活動した、パワフルなヴォーカルで知られるアメリカ合衆国の歌手、エタ・ジェイムズ(Etta James)の最初のスタジオ録音アルバムである。

制作の背景

エタ・ジェイムズは1938年にカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれた。

ジェイムズは1955年にエタ・ジェイムズ&ザ・ピーチズ(Etta James and the Peaches)名義でR&B曲「The Wallflower」をモダン・レコーズからシングルとしてリリースした。この曲は全米ビルボードのホットR&Bトラック・チャートで1位を記録した。

2つ目のR&Bヒット「Good Rockin’ Daddy」をリリース後にピーチズは解散し、ジェイムズは1960年にチェス・レコーズと契約した。

解説

アルバム『アット・ラスト!』は1960年に録音され、同年にチェス・レコーズのレーベル、アルゴ・レコーズから10曲入りのLPとして発売された。

『アット・ラスト!』は、ブルースやR&Bバラード、ジャズのスタンダード曲などのさまざまな楽曲のオーケストラ・アレンジを収録したポップ志向のアルバムである。ジェイムズのパワフルでソウルフルなシャウト唱法のヴォーカルが本作の聴きどころである。

プロデュースはフィル・チェスとレナード・チェス。

オーケストラのアレンジと指揮はライリー・ハンプトンが担当した。

ドゥーワップ/R&B曲「All I Could Do Was Cry」はシングルとして発売され、ビルボードのR&Bチャートで2位を記録した。

ソウル・バラード「My Dearest Darling」はシングルとして発売され、ビルボードのR&Bチャートで5位を記録した。

「At Last」はグレン・ミラー・オーケストラ(Glenn Miller and His Orchestra)の1942年のヒット曲のカヴァー。シングルとして発売され、ビルボードのR&Bチャートで2位を記録した。

「Trust in Me」はミルドレッド・ベイリー(Mildred Bailey)の1937年のヒット曲のカヴァー。シングルとして発売され、ビルボードのR&Bチャートで4位を記録した。

「I Just Want to Make Love to You」はマディ・ウォーターズ(Muddy Waters)の1954年のブルース曲(ウィリー・ディクスン作)のカヴァー。

「A Sunday Kind of Love」はバーバラ・ベル、アニタ・レナード、スタン・ローズ、ルイ・プリマ作曲の1946年のポピュラーソングのカヴァー。

「Stormy Weather」はハロルド・アーレン、テッド・ケーラー作の1933年のトーチソングのカヴァー。

MCAレコードは1999年にボーナス・トラック4曲(ハーヴィー・フークワ(Harvey Fuqua)とのデュエット。1959–1960年)を追加収録した本アルバムのデジタル・リマスター版CDを発売した。

2023年に『ローリング・ストーン』誌は「歴代最高のアルバム」500選で本作を191位にランク付けした。

収録曲

Side One

  1. “Anything to Say You’re Mine” – 2:37
  2. “My Dearest Darling” – 3:05
  3. “Trust in Me” – 3:01
  4. “A Sunday Kind of Love” – 3:18
  5. “Tough Mary” – 2:27

Side Two

  1. “I Just Want to Make Love to You” – 3:08
  2. “At Last” – 3:02
  3. “All I Could Do Was Cry” – 2:58
  4. “Stormy Weather” – 3:10
  5. “Girl of My Dreams” – 2:25

1999年再発CDボーナス・トラック

  1. “My Heart Cries” – 2:36
  2. “Spoonful” – 2:50
  3. “It’s a Crying Shame” – 2:54
  4. “If I Can’t Have You” – 2:50