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Depeche Mode: Construction Time Again (1983)

『コンストラクション・タイム・アゲイン(Construction Time Again)』はイギリスのエレクトロニック・バンド、デペッシュ・モード(Depeche Mode)の3作目のスタジオ録音アルバムである。

制作の背景

デペッシュ・モードは1980年にエセックス州のバジルドンでヴィンス・クラーク(keyboards, lead and backing vocals, guitars)、アンディ・フレッチャー(keyboards, bass guitar, backing vocals)、マーティン・ゴア(keyboards, guitars, backing and lead vocals)、デイヴ・ガーン(lead vocals)によって結成された。

1981年にミュート・レコードと契約し、3枚のシングルとデビューアルバム『スピーク&スペル(Speak & Spell)』(邦題: ニュー・ライフ)をリリースした。

クラークが中心的なソングライターだった初期のデペッシュ・モードの音楽はバブルガム・ポップ風のライトなシンセポップが特徴だったが、1981年のクラークの脱退後はゴアが中心的なソングライターとなり、彼らの音楽はより叙情的なスタイルへと変化した。

1982年にアラン・ワイルダー(keyboards, piano, drums, backing vocals)が新メンバーとして加入した。

概説

アルバム『コンストラクション・タイム・アゲイン』はロンドンのジョン・フォックスのザ・ガーデン・スタジオで録音され、ベルリンのハンザ・ミッシュラウム(ミキシングルーム)でミックスされた。

ダニエル・ミラーとデペッシュ・モードが共同で本作のプロデュースを行った。

本作は1983年にミュート・レコードから発売され、全英アルバムチャートで最高位6位を記録した。

本作は実験的なサウンドと叙情的で美しいメロディーを組み合わせたインダストリアル志向のシンセポップ・アルバムである。

本作は彼らの音楽がよりダークで実験的なスタイルへと発展する上で転換点となったアルバムである。

本アルバムの特徴は、サンプリングの使用、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンに触発されて「ファウンド・オブジェクト」やメタリックなパーカッションを用いたインダストリアル志向のサウンド、シンセとアコースティック楽器(ギター、ピアノ)を組み合わせたオーケストラ的な編成、東欧の民族音楽のようなオリエンタルな要素、資本主義に対する批判や冷戦時代における核の脅威、環境保護などの政治的なテーマを扱った歌詞、などである。

「トゥー・ミニット・ウォーニング / Two Minute Warning」と「変わりゆく風景 / The Landscape Is Changing」はワイルダーが作詞作曲し、その他の曲の作詞作曲はゴアが担当した。

本アルバムはシングル曲、「エヴリシング・カウンツ / Everything Counts」(1983年)と「ラヴ・イン・イットセルフ / Love, in Itself」(1983年)を収録している。

「エヴリシング・カウンツ」は「ファウンド・オブジェクト」やシロフォン、鍵盤ハーモニカなどをサンプリングしたキャッチーなインダストリアル・ポップ曲。この曲は全英チャートで最高位6位を記録した。

「ラヴ・イン・イットセルフ」は管楽器とアコースティックギター、ピアノをフィーチュアしたシンセポップ曲。この曲は全英チャートで最高位21位を記録した。

「パイプライン / Pipeline」はメタリックなパーカッションや卓球のボールの弾む音などのさまざまな「ファウンド・オブジェクト」をサンプリングした実験的なインダストリアル・ポップ曲。

Depeche Mode – Love, In Itself (Official Video)