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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年)

概説

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』は、19世紀末から20世紀初頭の石油採掘ブームの頃のカリフォルニアが舞台の2007年のアメリカ合衆国の叙事詩的な歴史劇映画である。

石油採掘による利潤追求に取り憑かれた男と、狂信的な説教で寄付金を集める伝道師の確執を描いている。

脚本・監督はポール・トーマス・アンダーソン。脚本はアプトン・シンクレアの小説『石油!』(1927年)から着想を得ている。158分。

あらすじ

20世紀初頭のカリフォルニア。ウィスコンシン州出身の銀鉱労働者のダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)は石油採掘の会社を設立する。ダニエルは事故で亡くなった労働者の孤児の息子、H.W.を養子として引き取る。ダニエルは投資家たちに自分が家庭的な男であると思わせるために、H.W.を交渉の場に同行させる。

ダニエルはカリフォルニア州のリトル・ボストンに住む若者のポール・サンデー(ポール・ダノ)から、サンデー家の地所の地下に石油鉱床があるという話を聞く。ダニエルはH.W.とともにリトル・ボストンに行き、土地を安く買い叩いて石油の採掘に成功するが、H.W.は石油ガスの噴出事故で聴力を失ってしまう。

ダニエルの腹違いの弟を自称する男、ヘンリーがダニエルを訪ねてくる。ダニエルはヘンリーを雇う。ヘンリーに嫉妬したH.W.はヘンリーを殺そうとして自宅に放火する。ダニエルはH.W.をサンフランシスコの聾学校に送り込む。

ダニエルは石油採掘で巨万の富を築き、リトル・ボストンに繁栄をもたらす。

ポール・サンデーの双子の弟で福音派の伝道師のイーライ・サンデー(ポール・ダノ)は、ダニエルから教会建設のための金を搾り取ろうとするが、ダニエルは教会への寄付を渋り、両者の間に確執が生じる。

解説

本作は批評家筋からオーソン・ウェルズ監督の『市民ケーン』(1941年)に比肩するドラマ映画として高く評価されている。

ダニエル・デイ=ルイスの迫真の演技が本作の見どころである。

イギリスのオルタナティヴ・ロックバンド、レディオヘッド(Radiohead)のリードギタリスト・キーボード奏者のジョニー・グリーンウッドが音楽を担当した。

本作は第80回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、デイ=ルイスが主演男優賞を、ロバート・エルスウィットが撮影賞をそれぞれ受賞した。

There Will Be Blood | Official Trailer (HD) – Daniel Day-Lewis, Paul Dano | MIRAMAX