概説
『愛の妙薬: バラード、ロンドー、ヴィルレー、モテットとテクストの朗読(Le vray remède d’amour: ballades, rondeaux, virelais, motets et textes dits)』は、14世紀フランスのアルス・ノーヴァ様式の作曲家兼詩人で『ノートルダム・ミサ曲』(1360年代前半頃)などの宗教音楽や宮廷愛を題材にした多数の世俗歌曲(シャンソン)で知られるギヨーム・ド・マショー(1300年頃–1377年)の作品を、世俗楽曲を中心に収録した作品集である。
解説
アルス・ノーヴァ期の音楽の演奏で知られるフランスの声楽アンサンブル、アンサンブル・ジル・バンショワによる演奏。指揮はドミニク・ヴェラール。
本アルバムは1988年10月4-7日にフランスのコート=ドール県のラ・モット=テルナンのサン=マルタン教会で録音され、1989年にフランスのハーモニック・レコーズからCDが発売された。
CDは2000年にスペインのレーベル、カンタス・レコーズから再発売されており、2011年にオランダのレーベル、ブリリアント・クラシックスから発売された『ギヨーム・ド・マショー: 宗教曲と世俗音楽集(Guillaume de Machaut: Sacred and Secular Music)』(CD3枚組)にも収録されている。
ヴィルレー、バラード、ロンドーなどのさまざまな種類の世俗歌曲とモテット、詩の朗読を収録している。
世俗歌曲は、ハープ、パーカッション、ギターン(弦楽器)、フィドル、フルート、バグパイプなどの伴奏付きの単声/多声声楽曲で、トルヴェール(トゥルバドゥールの影響を受けた12世紀頃の北フランスの吟遊詩人)の様式を継承している。
独特の柔和で繊細な声(独唱/合唱、男声/女声)と中世特有の広漠とした時空の感覚が特徴の音楽である。