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Harmonia: Deluxe (1975)

概説

『デラックス(Deluxe)』(邦題: 太陽讃歌)は西ドイツのクラウトロック・グループ、ハルモニア(Harmonia)の2作目のアルバムである。

制作の背景

ハルモニアは1973年に西ドイツのニーダーザクセン州ホルツミンデン郡フォルストの農村でクラスター(Cluster)のメンバー2人、ハンス・ヨアヒム・ローデリウス(keyboards, vocals)とディーター・メビウス(synthesizer, Nagoya harp, vocals)にノイ!(Neu!)のギタリストのミヒャエル・ローター(guitars, keyboards, vocals)が加わり、3人組のグループとして結成された。

ハルモニアはハンブルク拠点のレコード・レーベルのブレイン・レコードから2つのスタジオ録音アルバム、『ムズィーク・フォン・ハルモニア(Musik von Harmonia)』(1974年。邦題: ハルモニア)と『デラックス』(1975年)を限定発売した。

ハルモニアの音楽は、クラスターの宇宙的(Kosmische=cosmic)でアンビエントなエレクトロニック・ロックにローターのギターを加えた即興的なジャム演奏が基になっている。穏やかで心地良いサウンドが特徴である。

参加ミュージシャン

ハルモニア

  • Hans-Joachim Roedelius – keyboards, vocals
  • Dieter Moebius – synthesizer, Nagoya harp, vocals
  • Michael Rother – guitar, keyboards, vocals

ゲスト・ミュージシャン:

  • Mani Neumeier – drums

収録曲

音楽とコンセプトはミヒャエル・ローター、ハンス・ヨアヒム・ローデリウス、ディーター・メビウスによる。

  1. デラックス / Deluxe (Immer Wieder) (Deluxe (Again and Again)) – 9:45
  2. ウォーキー・トーキー / Walky-Talky – 10:35
  3. モンツァ(上昇と下降) / Monza (Rauf und Runter) (Monza (Up and Down)) – 7:07
  4. ノートルダム / Notre Dame – 4:15
  5. ゴラム / Gollum – 4:35
  6. ビスケット / Kekse (Biscuits) – 5:35

解説

アルバム『デラックス』は1975年にフォルストのハルモニアのスタジオで録音され、同年にブレイン・レコードから発売された。

クラウトロック・バンドのグル・グル(Guru Guru)のメンバーだったマニ・ノイマイヤーがドラム担当で本作の録音に参加した。

コニー・プランクが本作のエンジニアリングを担当した。ハルモニアとコニー・プランクが共同で本作のプロデュースを行った。

『デラックス』は前作よりもメロディックで歌志向のアルバムである。

前作『ハルモニア』はクラスター色が強いアルバムだが、『デラックス』はローター主導のアルバムとなっている。

「デラックス」と「モンツァ(上昇と下降)」の2曲はヴォーカルを含んでいる。その他の4曲はインストゥルメンタル曲である。

『デラックス』は聴きやすくて心地良いサウンドが特徴のクラウトロック・アルバムである。

楽曲はシンセ、キーボードとギター、ドラム、大正琴などの生楽器を組み合わせて制作されている。

「デラックス」はクラフトワーク(Kraftwerk)の「アウトバーン」(1974年)のようなモータリック・ビートの曲。

「ウォーキー・トーキー」は長いジャム演奏。

「モンツァ(上昇と下降)」はノイ!に似たロック志向の曲。

「ビスケット」はカエルの鳴き声や鳥のさえずり、川のせせらぎなどの自然音のような効果音を含む、自然と一体になったような幸福感に満ちあふれた牧歌的な電子音楽曲。

本作は2004年にユニバーサル・ミュージックから初めて公式にCDとして発売された。

イギリス=ドイツのインディペンデント系レコード・レーベル、グリーンランド・レコードは2015年に本作のリマスター版をLPとCDで発売した。