概説
『エトヴェシュ・コンダクツ・シュトックハウゼン: グルッペン、プンクテ(Eötvös Conducts Stockhausen: Gruppen, Punkte)』は、20世紀と21世紀初頭に活動し、セリー主義と電子音楽における画期的な仕事と、音楽への偶然性や空間概念の導入で知られるドイツの作曲家、カールハインツ・シュトックハウゼンが作曲した2つのオーケストラ作品、『グルッペン』と『プンクテ』を収録したアルバムである。
『グルッペン』はスペイン出身の指揮者のアルトゥーロ・タマヨ(指揮)、ハンガリーの作曲家・指揮者のエトヴェシュ・ペーテル(ペーテル・エトヴェシュ)(指揮)、フランスの指揮者のジャック・メルシエ(指揮)、ケルンWDR交響楽団によって1997年に録音された。
『プンクテ』はエトヴェシュ・ペーテル(指揮)とケルンWDR交響楽団によって2004年に録音された。
本アルバムは2006年にハンガリーのBMC(ブダペスト・ミュージック・センター)レコードから発売された。
グルッペン(1955–57年)
3群のオーケストラのための『グルッペン(群)』(1955–57年)は、セリー主義と群作法に基づく大規模な立体音響作品である。
3人の指揮者と3つのオーケストラ(演奏者は総勢109名)が「群」として聴衆を半円形(左・前・右)に取り囲んで演奏する。
通常のコンサートホールでは演奏することが困難な作品である。その空間的な広がりのある効果は2チャンネルのステレオ録音では擬似的にしか体験できない。
この録音では、タマヨ(左)、エトヴェシュ(前)、メルシエ(右)の3人が3つのオーケストラをそれぞれ指揮している。
プンクテ(1952–93年)
オーケストラのための『プンクテ(点)』(1952/62/66/93年)はセリー主義と点描主義を基にした作品である。
『プンクテ』の初稿は1952年に作曲された。1962年に改訂され、1963年にピエール・ブーレーズの指揮で初演された。シュトックハウゼンは本作の初演後に2度、1964年と1966年に更に大幅な改訂を行っている。本アルバムは、1993年の最終稿を基に作曲者の立ち会いの上でライヴ録音された演奏を収録している。