概説
『ジャズ・インプレッションズ・オブ・ア・ボーイ・ネイムド・チャーリー・ブラウン(Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown)』は、チャールズ・M・シュルツの漫画が原作のTVアニメ特番『ピーナッツ(Peanuts)』の音楽で知られるアメリカ合衆国のジャズ・ピアニスト、ヴィンス・ガラルディ(Vince Guaraldi)の6作目のスタジオ録音アルバムである。
解説
本アルバムは、チャールズ・M・シュルツと『ピーナッツ』に関するCBSのTVドキュメンタリー番組『ア・ボーイ・ネイムド・チャーリー・ブラウン(A Boy Named Charlie Brown)』(1963年。TV未放映)のサウンドトラックとしてヴィンス・ガラルディのピアノ・トリオが1964年に録音したもので、同年にファンタジー・レコードからLPとして発売された。
本アルバムはガラルディによる『ピーナッツ』のサウンドトラックとしては最初のものである。
本アルバムは1989年に『ア・ボーイ・ネイムド・チャーリー・ブラウン(A Boy Named Charlie Brown)』というタイトルでCDとして発売された(邦題: チャーリー・ブラウン オリジナル・サウンドトラック)。CD版はジャズのスタンダード曲「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(Fly Me to the Moon)」のライヴ演奏をボーナス・トラックとして収録している。
2014年のリマスター版CDは「ベースボールのテーマ(Baseball Theme)」の別テイクを収録している。
『ジャズ・インプレッションズ・オブ・ア・ボーイ・ネイムド・チャーリー・ブラウン』は、1950年代のウエストコースト・ジャズの流れを汲むポップ志向のジャズ・アルバムである。軽快にスウィングするリズムとキャッチーなメロディーの聴きやすい楽曲で構成されている。
「ペブル・ビーチ」や「ライナス・アンド・ルーシー」などの一部の曲はボサノヴァからの影響を示している。
「ライナス・アンド・ルーシー」はガラルディの最も有名な曲の一つで、ガラルディの8作目のスタジオ録音アルバム『チャーリー・ブラウン・クリスマス(A Charlie Brown Christmas)』(邦題: スヌーピーのメリー・クリスマス)(1965年)にも収録されている。この曲は『ピーナッツ』のTVアニメ特番で何度も使用され、『ピーナッツ』の事実上のテーマ曲となった。
ガラルディによる『ピーナッツ』の音楽は1960年代半ば以降に多くの子どもたちやその家族層にジャズを紹介し、米国におけるジャズの大衆化に貢献した。
収録曲
以下に記載がある曲以外の全曲の作曲はヴィンス・ガラルディ。
オリジナルLP
Side One
- オー、グッド・グリーフ / Oh, Good Grief (Vince Guaraldi, Lee Mendelson) – 2:21
- ペブル・ビーチ / Pebble Beach – 2:47
- ハピネス・イズ / Happiness Is – 3:37
- シュローダー / Schroeder – 1:51
- チャーリー・ブラウンのテーマ / Charlie Brown Theme (Vince Guaraldi, Lee Mendelson) – 4:20
Side Two
- ライナス&ルーシー / Linus and Lucy – 3:03
- ブルー・チャーリー・ブラウン / Blue Charlie Brown – 7:26
- ベースボールのテーマ / Baseball Theme – 3:13
- フリーダ / Frieda (With the Naturally Curly Hair) – 4:31
1989年のCD
- フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン / Fly Me to the Moon (Bart Howard) – 8:55
2014年のリマスター版CD
- ベースボールのテーマ(別テイク) / Baseball Theme (alternate take) – 1:56
クレジット
Vince Guaraldi Trio
- Vince Guaraldi – piano
- Monty Budwig – double bass
- Colin Bailey – drums