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Kenny Dorham: Afro-Cuban (1955/1957)

概説

『アフロ・キューバン(Afro-Cuban)』は、1950年代から1960年代のビバップ/ハード・バップ期に活動したアメリカ合衆国のジャズ・トランペット奏者、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)の1955年のセッションを収録したアルバムである。

解説

最初の4曲、「Afrodisia」「Lotus Flower」「Minor’s Holiday」「Basheer’s Dream」は、ケニー・ドーハム(trumpet)、アート・ブレイキー(drums)、ハンク・モブレー(tenor saxophone)、ホレス・シルヴァー(piano)、J・J・ジョンソン(trombone)、セシル・ペイン(baritone saxophone)、キューバ出身のコンガ奏者、カルロス・”パタート”・ヴァルデス(conga)を含む4管編成のノネット(九重奏団)によって1955年3月29日に録音され、1955年にブルーノートから10インチのレコードとして発売された。

ドーハム、ブレイキー、モブレー、シルヴァーの4人は当時アート・ブレイキーが率いるジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)の初代メンバーだった。

この4曲は、ディジー・ガレスピーの「Manteca」(1947年)に続くアフロ・キューバン・ジャズの古典的名演として名高い。

最初の曲「Afrodisia」はクラブ・ジャズ・クラシックとして知られている曲である。この曲は1980年代中頃にイギリスのDJ、ポール・マーフィーによってプレイされ、UKクラブシーンのアシッド・ジャズの文脈で再評価された。

「Minor’s Holiday」は、ジャズ・メッセンジャーズのライヴ・アルバム『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1(At the Cafe Bohemia, Vol. 1)』(1956年)でも演奏されている。

ブルーノートは1957年に本作に3曲を追加して7曲入りのLPとして再発売した。この3曲は、ジョンソンとラテン・パーカッションを除いた3管編成のセクステット(六重奏団)によって1955年1月30日に録音されたハード・バップのセッションから採られている。

ブルーノートは2007年にRVGエディション・シリーズの一つとして本アルバムのリマスター版を発売した。この2007年版にはボーナス・トラック2曲が追加収録されている。

「Basheer’s Dream」はジジ・グライス作曲。その他の曲はドーハムのオリジナル曲である。

Kenny Dorham – 1955 – Afro-Cuban – 01 Afrodisia