概説
『ベルク: 抒情組曲; 弦楽四重奏曲作品3』は、オーストリアの新ウィーン楽派の作曲家、アルバン・ベルクの弦楽四重奏曲2作品を収録したアルバムである。
解説
オーストリアの弦楽四重奏団、アルバン・ベルク四重奏団による演奏。1991年、1992年に録音。1994年にEMIクラシックスより発売された。
『弦楽四重奏曲作品3』(1910年)は対位法と無調を駆使した全2楽章の曲である。
『抒情組曲』(1925-1926年)は十二音技法を用いた全6楽章の作品で、第4楽章ではアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキーの『抒情交響曲』(1922-1923年)のメロディーを引用し、第6楽章ではリヒャルト・ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』(1857-1859年)のトリスタンの動機を引用している。テオドール・アドルノはこの作品を「潜在的なオペラ」と呼んだ。
どちらも無調様式を基調とする弦楽四重奏曲だが、ロマン主義的な抒情性を含む、情緒的で美しい音楽である。
アルバン・ベルク四重奏団は、本アルバムでこの2曲を17/18年ぶりに再録音した。