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デュファイ: 祝典と典礼のためのモテトゥス集; 第1晩課のための単旋律聖歌(Pomerium, 1995, 1996)

概説

『デュファイ: 祝典と典礼のためのモテトゥス集; 第1晩課のための単旋律聖歌』は、ルネサンス初期のフランドルの作曲家でブルゴーニュ楽派の中心人物、ギヨーム・デュファイ(Guillaume Du Fay、1397?–1474年)の声楽曲を収録したアルバムである。

モテトゥス4曲と単旋律聖歌1曲を収録している。

演唱はアメリカ合衆国の声楽アンサンブル、ポメリウム(Pomerium)。

解説

ポメリウムは1972年にノートルダム大学でアレクサンダー・ブラッチリー(Alexander Blachly)によって創設された古楽の合唱グループである。

本アルバムのトラック2と3以外は1995年3月にニューヨークのグロット・チャーチ・オブ・ノートルダムで、トラック2と3は1996年5月にニューヨークのコーパスクリスティ教会で、それぞれ録音された。

指揮はアレクサンダー・ブラッチリー。

本アルバムは1997年にアルヒーフ・プロドゥクツィオーン(Archiv Produktion)からCDとして発売された。

透明感のある清澄な響きの混声合唱と多声旋律の美しいハーモニーが特徴のモテトゥス(グレゴリオ聖歌の定旋律を含む多声声楽曲)が本アルバムの聴きどころである。

サンタ・マリア大聖堂の献堂式で演奏された祝典モテトゥス「ばらの花が先ごろ(Nuper rosarum flores)」は特に有名な曲である。この曲はイタリア・ルネサンス文化における記念碑的な作品として高く評価されている。

「第1晩課のための単旋律聖歌」(「聖母マリアの祝日のための曲集」より)は朗誦風の単旋聖歌だが、結尾に美しい多声部(マニフィカトとベネディカムス・ドミノ)を含んでいる。

CDには28ページの英語のブックレットが付属している。

収録曲

祝典と典礼のためのモテトゥス集

  1. モテトゥス: ばらの花が先ごろ – 0:42
  2. アンティフォナ: うるわしき救い主のみ母(第2曲) – 3:38
  3. セクエンツィア: 信者の合唱喜びもて高まらんことを – 6:40
  4. モテトゥス: 戦う教会 – 6:06

第1晩課のための単旋律聖歌(聖母マリアの祝日のための曲集)

  1. 神よ、わが保護に – 0:42
  2. アンティフォナ: 暗闇が飛び散り/ 詩篇112:しもべらよ、主をたたえよ – 3:19
  3. アンティフォナ: 正義の太陽/詩篇116:すべての国々よ、主をたたえよ – 2:12
  4. アンティフォナ: 大天使ガブリエルがマリアに/詩篇145: わが魂よ、主をたたえよ – 4:28
  5. アンティフォナ: 谷のくぼみも/詩篇146: 主をたたえよ、賛歌がすばらしきものゆえ – 4:15
  6. アンティフォナ: 乙女はおさな子を/詩篇147:イエルサレムよ、主をたたえよ – 3:31
  7. イムヌス: マリアの祝日を喜べ – 2:36
  8. レスポンソリウム: 急ぎ立ち上がれ、わが鳩よ – 3:08
  9. アンティフォナ: われは鳩のごとき美しきものを見たり/第6旋法のマニフィカト(ルカによる福音書 2:46-55) – 11:32
  10. ベネディカムス・ドミノ – 1:33