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鵞鳥湖の夜(2019年)

概説

『鵞鳥湖の夜(南方車站的聚會)』は、第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した『薄氷の殺人』(2014年)で知られるディアオ・イーナンが監督した2019年の中国のネオ・ノワール/犯罪スリラー映画である。中国とフランスの合作。111分。

あらすじ

舞台は2012年の中国南部。鵞鳥湖の周辺地区は再開発から取り残され、無法地帯と化していた。

刑務所を出所したチョウ・ザーノン(フー・ゴー)は、古巣のバイク窃盗団に舞い戻る。

チョウは窃盗団の対立グループとの戦いで誤って警官を射殺してしまい、全国に指名手配される。

警察はチョウの逮捕につながる情報に対して30万元の報奨金をかける。チョウは妻のヤン・シュージュン(レジーナ・ワン)が報奨金を受け取ることができるように画策する。当初の計画では、郊外の南駅の近くでシュージュンと落ち合い、シュージュンに警察に通報させる予定だったが、リウ・アイアイと名乗る謎の女(グイ・ルンメイ)がシュージュンの代理としてやって来る。

アイアイは鵞鳥湖の水辺で観光客を相手に性的なサービスを提供する、「水浴嬢」と呼ばれる娼婦の一人だった。チョウはアイアイと行動を共にするが、警察の包囲網と、チョウを殺して報奨金を受け取ろうとする窃盗団の対立グループによって追い詰められてゆく。

解説

本作の舞台は中国南部だが、本作は中国中部の湖北省武漢市でロケーション撮影された。

犯罪組織や社会の底辺で生きる人々などの、現代中国の経済成長の裏に隠れた影の部分に焦点を当てたネオ・ノワールとして見ごたえがある。スタイリッシュでカラフルな映像が本作の見どころである。

『鵞鳥湖の夜』予告編