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リズと青い鳥(2018年)

概説

『リズと青い鳥』は武田綾乃の小説『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』(2017年)が原作の2018年の日本のアニメ映画である。

高校の吹奏楽部が舞台の青春映画である。

監督は山田尚子。脚本は吉田玲子。アニメーション制作は京都アニメーション。90分。

あらすじ

北宇治高校3年の鎧塚みぞれ(よろいづかみぞれ。オーボエ担当)と笠木希美(かさきのぞみ。フルート担当)は高校の吹奏楽部に所属していた。

みぞれと希美は、中学時代に一人ぼっちだったみぞれを希美が誘って吹奏楽部に入部して以来の友人関係だった。

みぞれにとって希美は唯一の友人であり、世界そのものだった。みぞれは希美がいつか自分の前から消えてしまうのではないかという不安を抱いていた。

高校最後の吹奏楽コンクールのための自由曲として選ばれたのは、ドイツの童話を基にして作られた「リズと青い鳥」という曲だった。

童話「リズと青い鳥」は、孤独な少女リズと青い鳥の化身である青い髪の不思議な少女の物語だった。

楽曲「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートのソロの掛け合いが含まれていた。

みぞれと希美は最後のコンクールに向けて、自分たちを童話の登場人物と重ね合わせながら、ともに「リズと青い鳥」の練習に励む。

そんなある日、音大の教員で木管の臨時講師として北宇治高校に教えに来ていた新山聡美はみぞれの才能を認め、みぞれに音大への進学を勧める。その後、みぞれと希美の関係が変化し始める。

解説

『リズと青い鳥』は武田綾乃の小説シリーズが原作のTVアニメシリーズ『響け!ユーフォニアム』(2015年、2016年) のスピンオフ的な続編であり、二人の脇役キャラクター、鎧塚みぞれと笠木希美に焦点を当てている。作画・演出のスタイルはTVシリーズとは異なっている。

本作はアニメ映画『映画 聲の形』(2016年)のメインスタッフによって制作された。

本作はほとんど高校の中だけが舞台の現実のパート、架空の童話のパート、水彩画のようなみぞれの心象風景の三つのパートで構成されている。

TVシリーズの知識がなくても単独の映画として楽しめる作品である。

思春期の友人関係における依存や独占欲、嫉妬などを含む複雑で繊細な心情を実写映画風の精妙な表現によって描いた青春ドラマの秀作である。

『リズと青い鳥』ロングPV