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Herbie Hancock: Sextant (1973)

概説

『セクスタント(Sextant)』は、1940年生まれ、イリノイ州シカゴ出身のアメリカ合衆国のジャズ・ピアニスト・作曲家・編曲家、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の11作目のスタジオ録音アルバムである。

収録曲

ハービー・ハンコックが全曲の作曲を担当した。

  1. レイン・ダンス / Rain Dance – 9:16
  2. ヒドゥン・シャドウ / Hidden Shadows – 10:11
  3. ホーネッツ / Hornets – 19:35

解説

本アルバムは1973年にサンフランシスコのウォーリー・ハイダー・スタジオとディファレント・ファー・スタジオで録音され、同年にコロムビア・レコードから発売された。

本アルバムは、ハンコックが1960年代のブルーノート期と『ヘッド・ハンターズ(Head Hunters)』(1973年)以降のポピュラーなファンク期の間の過渡期に初期の電化マイルス(『In A Silent Way』(1969年)と『Bitches Brew』(1970年))の強い影響下で録音した実験的な「エムワンディシ」3部作の最終作である。

本作は、サックス奏者のベニー・モウピン、トランペット奏者のエディー・ヘンダーソン、トロンボーン奏者のジュリアン・プリースター、ベース奏者のバスター・ウィリアムス、ドラマーのビリー・ハートをフィーチュアしたエムワンディシ期のハービー・ハンコック・セクステットにより録音された。

シンセサイザー奏者のパトリック・グリーソンとパーカッショニストのバック・クラークも参加している。

プロデュースはデイヴィッド・ルービンソン。

本作はエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ)、メロトロン、モーグ・シンセ、ARPシンセを駆使した前衛的なアフロ・ジャズ・ファンクのアルバムである。

SF映画のサウンドトラックのような宇宙的なサウンドが特徴である。

アメリカの音楽誌『ペースト』は本作を「非妥協的なアヴァン・ファンクの傑作」と評した。

「レイン・ダンス(Rain Dance)」はパトリック・グリーソンのシンセをベースにした電子音楽寄りの曲。

「ヒドゥン・シャドウ(Hidden Shadows)」はミディアム・テンポの変拍子ファンク曲。

「ホーネッツ(Hornets)」(約20分)は電子音とエフェクト(ファズ、ワウ)を効かせたノイジーなキーボードが暴れまわる、攻撃的で混沌としたアフロ・ファンク曲。

クレジット

  • Mwandishi (Herbie Hancock) – piano, Fender Rhodes, clavinet, Mellotron, ARP 2600, ARP Pro Soloist, Moog synthesizer
  • Mwile (Bennie Maupin) – soprano saxophone, bass clarinet, piccolo, afuche
  • Mganga (Eddie Henderson) – trumpet, flugelhorn
  • Pepo (Julian Priester) – bass trombone, tenor trombone, alto trombone, cowbell
  • Mchezaji (Buster Williams) – bass guitar, double bass
  • Jabali (Billy Hart) – drums
  • Patrick Gleeson – ARP 2600, ARP Pro Soloist
  • Buck Clarke – percussion
Rain Dance