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カフカ 田舎医者(2007年)

概説

『カフカ 田舎医者』は、多彩な技法を駆使した短編アニメーション映画で知られる日本のアニメーション作家、山村浩二の2007年の短編アニメ映画である。

フランツ・カフカの短編小説『田舎医者』(1917年)が原作。

脚本・絵コンテ・撮影・編集・キャラクターデザイン・原画・美術・背景・監督は山村浩二。制作はヤマムラアニメーション。21分。

あらすじ

ある冬の夜。医者は馬車で急患の往診に行こうとするが、馬が死んでしまい、出発できずに困っていた。

そのとき、見知らぬ馬子が豚小屋から出てきて、2頭の馬を馬車に繋いでくれる。

馬子が医者のメイドのローザを追い回し始めたので、医者はローザを置いて患者のところに行くのを躊躇するが、馬車は医者を乗せて瞬時に患者の家に着いてしまう。

解説

カフカの原作は田舎の医者が体験した奇妙な出来事を描いたシュールで夢幻的な小説で、逃れられない運命と繰り返される現実を生きる人間の不安と孤独を寓意的に表現したとも解釈できる作品である。

1万枚以上の原画はすべて手描きである。

描線の震えやキャラクターの身体の変形、ダンスのような奇妙なポージングが精神の揺れ動きを表現する技法として使われている。

声の出演は狂言師の茂山千作とその一家、小説家の金原ひとみ他。

本作は2007年のオタワ国際アニメーション映画祭で短編部門のグランプリを受賞した。

この映画の原画を使用した絵本版もある。

Franz Kafka's A Country Doctor English Subtitle