『エンドレス・サマー(Endless Summer)』は、1962年生まれのオーストリアのギタリスト・電子音楽のミュージシャン、フェネス(Fennesz)(本名: クリスチャン・フェネス)の3作目のスタジオ録音アルバムである。
フェネスは1980年代にオーストリアの実験的なロックバンド、マイシェ(Maische)のメンバーとして活動していた。
フェネスは1990年代にラップトップ・コンピュータで処理したエレクトリック・ギターを用いた電子音楽で知られるようになり、2001年にアルバム『エンドレス・サマー』で広く認知されるようになった。
アルバム『エンドレス・サマー』は、ラップトップ・コンピュータ、Shure(シュア)のSM57マイクロフォン、わずかなギターとペダルなどの極めて限られた機材を用いて録音された。
本作は2001年にオーストリアのウィーンを拠点とするインディペンデント系レコード・レーベル、メゴ(Mego)から発売された。
本作は電子音響音楽、エレクトロニカの分野では傑作の一つとして名高いアルバムである。
グリッチやホワイト・ノイズ、CDスキップなどの各種ノイズと電子音、コンピュータで処理されたギターの音を含む実験的な電子音響作品だが、叙情的で美しいアンビエント音楽、フォークトロニカのアルバムとしても聴ける。
その心地よいサウンドは、過ぎ去りし夏の日々の追憶のような憂愁や郷愁の感覚を呼び起こす。
2001年のオリジナル・アルバムは全8曲収録。
2006年のリマスター版はボーナス・トラック2曲を追加収録(Pヴァイン・レコードから発売された日本版はボーナス・トラック4曲を収録)。
2017年にアメリカのオンライン音楽雑誌、ピッチフォークは「史上最高のアンビエント・アルバム50」のリストで本作を22位にランク付けした。
