概説
『ルーコサイト(Leucocyte)』は、1993年にストックホルムでエスビョルン・スヴェンソン(piano)、ダン・ベルグルンド(double bass)、マグヌス・オストロム(drums)によって結成されたスウェーデンのジャズピアノトリオ、e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ/Esbjörn Svensson Trio)の12作目のアルバムである。
解説
本アルバムは2007年に録音され、2008年にACTミュージックから発売された。
キース・ジャレット(Keith Jarrett)やECM系のアーティストに似たエスビョルン・スヴェンソンの耽美的なピアノを中心とする、電子音や電気的なエフェクト、ノイズを多用した電子音響音楽風のコンテンポラリー・ジャズである。
オーストラリアのスタジオでのトリオによる即興演奏にポストプロダクションを施して制作された。組曲形式の長い2曲を中心とする構成となっている。
ジャズ的なピアニズムと即興演奏を含んでいるが、全体としては、伝統的なジャズよりもシガー・ロス(Sigur Rós)やレディオヘッド(Radiohead)のようなポストロックやオルタナティヴ・ロック、フェネス(Fennesz)のようなアンビエント/グリッチ・テクノなどの方に近い。
2008年にスヴェンソンがスクーバダイビングの事故で逝去したため、2007年のセッションを元に制作された2つのアルバム、『Leucocyte』(2008年)と『301』(2012年)がe.s.t.の最後のアルバムとなった。