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アントマン(2015年)

概説

『アントマン(Ant-Man)』は、マーベル・コミックに登場するキャラクターのスコット・ラングとハンク・ピムをベースにした、2015年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画である。マーベル・スタジオが製作し、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズが配給する、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第12作目である。

元泥棒の男が身体縮小スーツを着用して昆虫サイズのヒーロー、アントマンに変身し、縮小技術の軍事利用を目論む敵と戦う物語を描いている。主な舞台はカリフォルニア州サンフランシスコである。

監督はペイトン・リード。117分。

あらすじ

科学者のハンク・ピム(マイケル・ダグラス)は、かつて反テロ諜報組織S.H.I.E.L.D.のエージェントとして、自ら開発した身体縮小スーツを着て「アントマン」となり、数々の極秘任務をこなしていた。

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)で描かれたソコヴィアでの戦いから数箇月後。ピムは自身の縮小技術が悪用されることを恐れてその情報を秘匿していたが、そのために元弟子のダレン・クロス(コリー・ストール)によって自身の会社ピム・テクノロジーズから追い出されていた。

クロスは独自の身体縮小スーツ、イエロージャケットを完成させようとしており、それを兵器として売る計画を立てていた。

クロスの計画を阻止するため、ピムはイエロージャケットを盗み出し、ピム・テクノロジーズのサーバのデータを破壊する計画を立てる。ピムは計画の実行者として一人の男に目を付ける。

元システムエンジニアで電気工学と金庫破りに秀でた男、スコット・ラング(ポール・ラッド)は、窃盗罪による3年間の刑期を終えて出所する。

スコットはアイスクリーム・パーラーのバスキン・ロビンス(サーティワンアイスクリーム)に就職するが、前科が発覚して解雇される。

スコットは最愛の娘キャシーに会うために、離婚した妻マギー(ジュディ・グリア)の家を訪れるが、マギーはスコットが養育費を支払っていないという理由でキャシーに会うことを禁じる。

ピムはスコットに、アントマンになってピム・テクノロジーズに潜入し、イエロージャケットを盗み出すことを依頼する。スコットは、人生をやり直し、娘のキャシーと再会するために、ピムの計画に参加することを決意する。

ピムとピムの娘ホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)の指導の元で特訓を受けたスコットは、アントマンとして空飛ぶアリの大群とともにピム・テクノロジーズに潜入し、爆薬を仕掛けるが、イエロージャケットを着たクロスと戦っているときに亜原子サイズにまで縮小せざるを得なくなり、量子の世界へと消えてしまう。

解説

『アントマン』はコミカルなSF/アクション・アドベンチャー映画として楽しめる全年齢向けの娯楽映画である。

本作はヒーローらしくないヒーローという主人公の設定と、アントマンの決死の戦いが人間サイズの視点から客観的に見るとアリの喧嘩のような小さな出来事でしかないという場面に示されているような自虐的なユーモアが特徴である。

本作の後半には『きかんしゃトーマス(Thomas & Friends)』の鉄道模型のジオラマ上でアントマンがイエロージャケットと戦うシーンがある。

2018年の映画『アントマン&ワスプ(Ant-Man and the Wasp)』は本作の続編である。

映画『アントマン』予告編